京都のスポーツクラブを利用すると医療費控除が利用できる?
健康で長生きするには適度な運動がよいとされています。その理由は運動によって生活習慣病を予防できると考えられているからです。スポーツクラブは適度な運動の場としてとても便利ですが、条件によっては医療費控除の対象になることをご存じでしょうか。今回は京都府における医療費控除の対象や控除の条件、控除の手順などについてまとめます。
もくじ
医療費控除とは何か
医療費控除とは、1年間に10万円以上の医療費を払った場合に受けられる控除のことです。控除とは課税対象となる所得から一定金額が差し引かれる仕組みで、医療費控除が適用されると課税対象が減るため所得税額が減少します。還付とは異なり税金が手元に戻ってくるわけではないので注意しましょう。
京都のスポーツクラブは医療費控除を利用できる?控除の対象について
京都府保険医協会は公式サイトで医療費控除の範囲について公表しています。公式サイトには医療費控除として認められる通常の医療費や特別な費用・施設の利用料金について列記されています。その中に「(4)指定運動療法施設(スポーツクラブ等)として認定を受けた施設で、医師が治療のために患者に運動療法を行わせるために必要な利用料金」と記載さ入れていて、指定運動療法施設と認定されたスポーツクラブの料金は医療費控除の対象になると明記されています。
医療費控除を受けるには条件を満たす必要がある
医療費控除を受けるには、利用しているスポーツクラブが指定運動療法施設として認定されていることや、医師が運動をすすめる運動療法処方箋を発行しているといった条件をクリアしていなければなりません。指定運動療法施設の認定基準は以下のとおりです。
・厚生労働大臣認定健康増進施設であること
・提携医療機関担当医が日本医師会認定健康スポーツ医であること
・健康運動実践指導者の配置
・運動療法の実施にかかる料金体系を設定してあること(1回あたり5,000円以内)
自分が通っているスポーツクラブが上記の条件を満たしているか、事前に確認する必要があります。公益法人日本健康スポーツ連盟によると、京都府内で指定運動療法施設として認められているのは全部で8か所です。スポーツクラブの利用で医療費控除を受けようと考えているのであれば、日本健康スポーツ連盟のサイトで紹介されている指定運動療法施設を選ぶとよいでしょう。次に、医師から運動療法実施証明書の交付を受ける必要があります。証明書の書式はスポーツクラブで用意してくれることもあるので、相談しておくとよいでしょう。
スポーツクラブで受けられる運動療法
運動療法とは、運動を行うことで障がいや疾患の症状の改善・予防を図ることです。運動療法は骨折・腰痛だけではなく、糖尿病や脂質異常症、高血圧といった生活習慣病の予防、心臓リハビリ、呼吸リハビリなどでも活用されています。運動療法の内容は以下のとおりです。
・有酸素運動
・無酸素運動
・筋力トレーニング
・ストレッチング
有酸素運動は比較的負荷の軽い運動で、血中脂質や血糖の減少が期待できます。ウォーキングや水泳、エアロバイク、ジョギングなどが含まれます。無酸素運動は比較的負荷の強い運動で、短い時間に多くのエネルギーを使用します。筋肉に負荷をかけるダンベルやマシントレーニング、腕立て伏せなどが該当します。筋力トレーニングは文字通り筋力を鍛えるもので、等尺性運動と等張性運動があります。ストレッチングは筋肉の柔軟性を高める運動で、リラックス効果や疲労蓄積の予防などの効果が見込まれます。
スポーツクラブで医療費控除を受ける手順
スポーツクラブで医療費控除を受けるにはどのようにすればよいのでしょうか。最初にするべきことはかかりつけ医や指定運動療法施設の提携医療機関への相談です。医師が運動療法の必要を認めると、運動療法処方箋を発行してくれます。その後、発行されて処方箋をもって指定運動療法施設に行きましょう。
そこで処方箋を提示するとその内容に基づいた運動療法を受けられます。スポーツクラブを利用した後で、領収書や運動療法実施証明書を受け取る必要があります。場合によってはスポーツクラブではなく、処方箋を発行した医師が実施証明書を発行するケースもあります。医師の確認を済ませたら、領収書と証明書を保管し確定申告時期まで保管しましょう。確定申告の時期が来たら、確定申告用紙の医療費控除の欄に金額を記入し、領収書と証明書を税務署に提出しましょう。
まとめ
今回は、スポーツクラブを利用するときに医療費控除が使用できるかについてまとめました。利用料金が医療費控除として認められるためには、指定運動療法施設を利用することや医師による処方箋の発行などの条件を満たさなければなりません。せっかく健康のためにスポーツクラブを利用するのなら、治療の一環として医療費控除を受け税制面での優遇措置を受けられるようにしたほうがよいのではないでしょうか。