効果が出やすいのは?筋トレと有酸素運動はどちらを先にやるべきなの?
筋トレと有酸素運動を並行して行うことで、脂肪を燃焼しつつ筋肉の肥大化が狙えます。しかし、筋トレと有酸素運動はどちらを先にやるべきなのでしょうか?実は間違った順番でトレーニングを行うと逆効果となる場合があるため、トレーニングは適切な順番で取り組むことが大切です。そこで今回は、トレーニングの順番について詳しく解説します。
筋トレと有酸素運動はどちらを先にやるべきなのか
効率よく体脂肪を落とすためには、先に筋トレをしてから有酸素運動を行うのが最も効果が期待できます。
その理由は、筋トレと有酸素運動の効果の違いが脂肪燃焼に影響するからです。脂肪燃焼と聞くと熱で脂肪を溶かすイメージがありますが、実際の脂肪燃焼は複雑なプロセスを得て行われます。
脂肪を燃焼させるとは、脂肪をエネルギーとして消費することです。しかし、体内で固形物となった脂肪はそのままではエネルギーとして使えません。脂肪を分解する必要があるのですが、そのために不可欠なのがリパーゼという酵素です。このリパーゼは体を動かすエネルギーが不足することで活性化します。そのときに短時間でエネルギー消費する筋トレを行うと、リパーゼの働きが促進され、効率よく脂肪を分解できるのです。その後分解された脂肪は、エネルギーとして全身に運ばれます。
しかし、脂肪は分解して運んだだけでは消えません。エネルギーとして消費する必要があるのですが、そこで役立つのが脂肪をエネルギー源とする有酸素運動です。比較的軽い負荷で長時間続けられる有酸素運動は、エネルギー消費量を増やしやすく脂肪燃焼効果が期待できます。つまり、筋トレで脂肪の分解を促し、それを有酸素運動で燃焼することによって、効率よく体脂肪を落とせるのです。
なぜ筋トレから先にやるべきなの?
なぜ筋トレから先にやると脂肪燃焼の効果が高まるのでしょうか?ここでは、筋トレを先にやるべき理由について解説します。
基礎代謝が高まる
筋トレを先にやるべき理由のひとつは、エネルギーの消費量がアップすることです。筋トレを継続すると筋肉量が増えます。その筋肉量の増加にともなって向上するのが基礎代謝です。基礎代謝とは、体温調節や心臓を動かすなど、生命活動を保つために最低限必要な代謝のことを指します。基礎代謝が高まるとエネルギーの消費量が増えるので、結果として運動をしなくても痩せやすく、太りにくい体が手に入るのです。
また、アメリカの研究では「筋トレ後の代謝の高まった状態は48時間続く」との報告も出ています。つまり、筋トレを先にすれば代謝の高まった状態で有酸素運動ができるので、脂肪燃焼効果が高まり、エネルギー消費量が増えるのです。さらに、基礎代謝が高まると免疫力アップや冷え性の改善などにもつながります。
成長ホルモンが分泌される
成長ホルモンが分泌されることも筋トレを先にやるべき理由のひとつです。成長ホルモンは、子どもの成長に必要なホルモンというイメージが強いですが、成人の場合には骨や筋肉を強くするほか、脂肪分解、毛髪の発育、肌表面の再生を活発にするなど、アンチエイジング効果が期待できます。この成長ホルモンは、強い負荷がかかる筋トレを行うことで分泌が促進されます。筋トレを先にやると、成長ホルモンの脂肪分解作用で脂肪燃焼効果が高まるのです。
ただし、2005年の立命館大学の研究では筋トレの前に有酸素運動を行うと、成長ホルモンの分泌が抑えられてしまうことが明らかになっています。効率よく脂肪燃焼したいなら、筋トレから先にやりましょう。
理想的なボディラインになれる
適度な筋肉がつき理想的なボディラインになれることも、筋トレを先にやるべき理由のひとつといえます。有酸素運動は脂肪燃焼に効果的ですが、筋肉を鍛えられるわけではありません。有酸素運動だけを続けたり、有酸素運動をした後に筋トレを行うと筋肉量が減る可能性があります。
その理由は有酸素運動では酸素を用いて糖や脂肪をエネルギー源に変換していますが、体内に貯蔵されたエネルギー源が枯渇すると、筋肉を分解してエネルギー源として利用するからです。筋トレを先にすることで筋肉量が減るのを防げます。
組み合わせ方は?トレーニングメニューの具体例
理想的なボディを手に入れるためには、筋トレと有酸素運動をバランスよく行うことが大切です。しかし、「具体的にどんなトレーニングをすればいいの」と悩む方もいるかも知れません。そこでトレーニングメニューの一例を紹介します。
ダイエットをしたいとき
ダイエットをするなら、筋トレの後に30分程度の有酸素運動を行うのがおすすめです。ウォーミングアップを終えたら、20分程度の筋トレを行います。トレーニングマシンを使えば、さまざま筋肉を効率よく鍛えることが可能です。たとえば、デットリフトなら背中や下半身の筋肉、クランチなら腹筋に刺激を与えられます。使用するマシンによって鍛えられる筋肉は異なるので、身体の状態を確認しながらその日使うものを決めましょう。
1日3種類くらいの筋トレを行えばOKです。その後はインターバルを挟んだのち、エアロバイクやランニングなどの有酸素運動を行います。20分以上続けることで脂肪燃焼効果が高まるといわれているので、最低でも30分は取り組むようにしましょう。
筋肉を肥大化させたいとき
筋肉の肥大化を目的としてトレーニングを行う場合は、分割法でトレーニングメニューを組むのが効果的です。分割法とは、日によって鍛える部分を変えるトレーニング方法になります。分割法ではトレーニング後の筋肉が以前よりも強くなる状態「超回復」の完了をまってから、同一部位のトレーニングができるので効率よく筋トレができるのです。
ただし、有酸素運動の同日実施は避けましょう。避ける方がよい理由は、体内に貯蔵されたエネルギー源が枯渇すると筋肉が分解されるからです。そのためハードな筋トレを行った後に、有酸素運動を行うと筋肉が肥大化するどころか、筋肉が痩せてしまう可能性があります。しかし、引き締まった体を作るには有酸素運動も必要です。
そこで分割法を利用して、月曜日は下半身の筋トレ、火曜日はランニングなどの有酸素運動、水曜日は胸と腕の筋トレ、木曜日は休息日、金曜日は背中とお腹の筋トレ、土曜日はエアロバイクなどの有酸素運動、日曜日は休息日といったトレーニングメニューを組むとよいでしょう。
まとめ
効率よく体脂肪を落としたいなら、筋トレ、有酸素運動の順番で組み合わせるのが最適です。有酸素運動は脂肪燃焼に効果がありますが、筋トレをしないと脂肪とともに筋肉まで減ってしまい基礎代謝も落ちてしまいます。せっかくのトレーニングが逆効果とならないように、トレーニングを行うときは筋トレを先に、有酸素運動を後にやるようにしましょう。